調査結果

企業の女性活用と経営業績との関係に関する調査

「企業の女性活用と経営業績との関係に関する調査」結果概要

女性社員の基幹化の状況女性の能力発揮促進のための取組能力発揮促進のための取組の自己評価能力発揮促進の効果と効果の内容女性の活躍推進と企業業績
アンケートの概要
[実施概要]
平成15年1月~2月
[実施方法]
通信調査
[対象]
1部、2部上場企業及び店頭銘柄、生命保険、損害保険等を含む3347社(産業別の状況 第1図)
[回収率]
13.6%

結果の概要
1.女性社員の基幹化の状況
(1)量的な基幹化

《女性社員の比率》
正社員に占める女性比率(以下、女性社員比率と略す)は20.1%で、業種別にみると、金融・保険業、不動産業(29.8%)、卸売・小売業、飲食店(27.9%)、サービス業(27.9%)で高く、建設業(10.2%)および運輸・通信業(12.9%)で低くなっている。
5年前の女性正社員数を100とすると、現在の平均は95.7で、この5年間で概ね5%程度の減少で、サービス業(指数:167.4)、金融・保険業、不動産業(同118.6)では増えているものの、建設業(同80.2)、製造業(同81.6)では減少している。

(2)質的な基幹化

《勤続年数の男女差》
女性正社員の平均勤続年数は12.4年、勤続年数の男女差は平均すると5.06年である。これを業種別にみると、サービス業(2.75年)で男女差が小さく、金融・保険業、不動産業(6.44年)及び建設業(6.26年)で大きくなっている。

《課長相当職に占める女性の割合》
課長相当職全体のなかで女性が占める比率(以下、課長女性比率と略す)は2.3%、これを業種別にみると、サービス業(7.3%)で高く、建設業(0.4%)で低くなっている。
5年前と比較して、女性管理職(課長相当職以上)が増加した企業は35.4%、現状維持は52.7%、減少した企業は6.1%である。

2.女性の能力発揮促進のための取組

《採用拡大への取組》
女性社員の採用拡大に向けた個別の取組としては、「会社案内等で社内で活躍している女性社員の紹介」、「採用権限のある者に女性を含める等の選考の中立性の確保」および「事実上女性が満たしにくい採用条件の見直し」については積極的に取り組んでいる企業が多く、「女性求職者を対象とした職場見学会」について取り組んでいる企業は少ない。

《職域拡大への取組》
 女性社員の職域拡大への取組のなかで、「新たな仕事にチャレンジできる工夫」、「新しい業務に就く場合の教育訓練機会の確保」、「幅広く様々な仕事を女性社員に経験させること」については積極的に取り組んでいる企業が多いが、「女性社員の受け入れ経験の乏しい管理職に対する研修」、「対外的な業務に新たに女性を配置する際の取引先への事前説明等の配慮」、「異なる職場で働く女性社員同士が交流できる機会への支援」に取り組んでいる企業は少ない。

《女性管理職を増やす取組》
女性管理職を増やす取組のなかで、「昇進・昇格基準の明確化」、「評価・査定基準の明確化」、「男女に公正な人事考課を行うための評価者研修」については積極的に取り組んでいる企業が多いが、「管理職候補の女性社員をリストアップし、個別に育成すること」、「女性の管理職候補を対象とした研修」、「モデル(模範)となる女性社員の育成および提示」について取り組んでいる企業は少ない。

《女性社員の勤続年数を伸ばす取組》
女性社員の勤続年数を伸ばす取組のなかで、「育児・介護休業後の円滑な職場復帰のための情報提供」、「育児・介護休業制度を取りやすい雰囲気作り」については積極的に取り組んでいる企業が多いが、「長期勤続のための生活設計についての相談」、「育児・介護休業後の円滑な職場復帰のための研修」について取り組んでいる企業は少ない。

《男女の役割分担意識を解消するための取組》
男女の役割分担意識を解消するための取組(経営トップ、管理職、男性従業員の意識改革)のなかで、「電話応対・会議の準備・社内郵便の仕分け等を男女で分担」、「会議等で女性社員に発言や提案を求めること」、「セクシュアルハラスメントの防止のための研修」については積極的に取り組んでいる企業が多いが、「男女の役割分担意識の解消のため管理職や従業員に対する研修」について取り組んでいる企業は少ない。
企業が今後重視する人事戦略として第一に挙げているのは「評価・処遇の成果主義・業績主義化」であり、ついで「幹部候補者の早期選抜・育成」、「従業員の能力開発の自己責任化」、「処遇の違いを認める人事管理の多元化」、「女性社員の能力発揮を促進する取組」の順となっている。「長期安定雇用の維持」、「長期勤続を奨励する処遇制度」は重視指数が低い。(重視指数=重視すると答えた企業数×5+・・・・+重視しないと答えた企業数×1を(総数ー不明)で除した値)(第1表)

3.能力発揮促進のための取組の自己評価

女性社員の能力発揮促進のための取組について、「進んでいる」と考えている企業が46.4%、「進んでいない」が51.0%であり、自己評価は大きく2つに分かれている。これを業種別にみると、金融・保険業、不動産業で進んでいると考えている企業が多いが、建設業で進んでいると考えている企業が少なくなっている。(第2図)

4.能力発揮促進の効果と効果の内容

女性社員の能力発揮促進を図った結果、「効果があった」とする企業が52.3%、「効果がなかった」と考えている企業が20.0%である。これを業種別にみると、金融・保険業、不動産業で効果があったと考えている企業が多いが、建設業で効果があったとする企業は少ない。(第3図)
効果の内容については、6割以上の企業が「男女ともに職務遂行能力によって評価されるという意識が高まった」、「女性社員の責任感が向上した」と考えており、3割弱の企業が「男女ともに働きやすい職場になった」と答えている。(第4図)

5.女性の活躍推進と企業業績

企業業績を総合経営判断指標(設問は競争相手とする企業と比べ、最近の業績はよいと思うかを5段階評価する)、成長性指標(設問は5年前の売上を100とした場合の現在の売上指数)、収益性指標(設問は5年前の営業利益を100とした場合の現在の営業利益指数)の3つでみるとほぼ次のような関係が見られる。

(1)女性社員の基幹化と経営パフォーマンス

量の基幹化を表す女性社員比率は、成長性指標(売上高の伸び指数)と総合経営判断指標とは密接な関係にあり、女性社員比率が高い企業ほど、5年前を100とした場合の売上高を数値化した指数が伸びている。加えて、女性社員比率が高い企業ほど、競争相手と比較し自社の業績の状況が「良い」または「やや良い」とする企業が多い。他方、質の基幹化を表す係長・主任女性比率、課長女性比率及び過去5年間の女性管理職の増減と成長性指標と総合経営判断指標との間にも概ね密接な関係がみられる。総合経営判断指標を得点化してみると、この関係がより明確になってくる。(第2表)

(2)女性の能力発揮促進のための取組と経営パフォーマンス

女性の能力発揮促進のための取組が「進んでいる」、「ある程度進んでいる」と評価している企業ほど成長性指標と総合経営判断指標が良好という関係がみられる。
また、女性の能力発揮促進の結果「効果があった」、「ある程度効果があった」とする企業ほど成長性指標と総合経営判断指標が良好と言う関係がみられる。(第3表)
取組の分野と企業業績との関連についてみると、採用拡大の取組、職域拡大の取組、女性管理職を増やすことに関する取組と総合経営判断指標との間には有意な関係があり、女性の採用拡大・職域拡大や女性管理職を増やす取組を進めている企業で企業業績は拡大している。

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