診断結果活用Q&A集

III職域拡大(女性がいなかった(少なかった)職種や職務に積極的に女性を配置するための取組)

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 女性がいなかった(少なかった)職種や職務に新たに女性を配置する時は、本人への支援だけでなく、受け入れる職場のソフト、ハード両面での環境整備が必要です。

A1

 基本的には、女性だからといって特別視する必要はありません。難しい業務を割り振らないとか、慣れるまで男性社員の補助担当にするとか、無用な配慮は逆効果となります。必要に応じて、顧客に対して直接上司から新任紹介すれば相手の印象も違ってきます。職場の貴重な戦力として配置するわけですから、組織の活動目標を明確に伝えたうえで、具体的な担当業務を割り振って業務の進行具合を見守ってください。そして必要に応じて男性社員同様にシッカリとOJTを行なってください。同時に複数名配置する事が可能であれば、身近な相談相手ができてお互いに安心です。配置後一定の間、本人や直属上司に対するヒアリングやその後のフォローがあれば効果的です。
 そういった配慮の他は仕事上で特別視する必要はありませんが、今まで何らかの理由により長年男性のみだった職場に女性を配置する場合には、例えば休憩室の配置など、環境面での工夫が必要となってくる場合もありますので、留意してください。

A2

 多くの業務は、慣れるにつれて習熟度が高まりスムーズな進行が可能となります。その分、気持ちよく仕事が出来るため、ややもすれば現状で満足してしまうことにもなりかねません。それは本人にとっても会社にとっても勿体ないこと。新しい業務に就いて初めてわかる自分の適性や能力もあるはずです。
 もし身近に変化を望まない現状肯定的な女性がいれば、“自分自身も知らない隠れた才能の発見”に力を貸してあげてください。優れたロールモデルを提示するのも効果的です。外部セミナーへの派遣や、自己申告制度、ジョブチャレンジ制度など、様々な工夫を凝らして計画的な人材育成を図ってください。また、一定期間勤務後に新たな職場に異動できるフリーエージェント制度や社内留学制度の導入など、積極的に能力開発を支援することも大事です。新ジャンルや難度の高い業務にチャレンジして成果をあげた人に対する業績評価制度の充実も、頑張る人のモラールアップのために重要となります。

A3

 過去には「外回り営業は男性・それを助けるのが内勤女性」という時代が確かにありました。いろいろ世話をしてくれる内勤補助業務担当の女性に“家内感覚”を抱いてしまうことが実はセクハラの温床にもなっていたくらいです。得意先によってはその時代のイメージをそのまま現在まで引きずっている人もいます。しかしここにきて積極的に外回り女性を配置する企業が増えてきました。今まで男性が担当していた得意先の営業担当に初めて女性を配置する際には、必ず上司が同行し、担当としての責任感の強さなど長所を含めて新任を紹介してください。
 得意先の意識改革と同時に、新しく配置される女性担当の意識改革も重要です。“女性だから許されるかも・・・・”などと、決して甘えることなく、積極的に第一線営業としての責任と誇りを持って職務を果して下さい。ただし順調なときばかりとは限りません。困ったときの相談役として前任者をそばに置いたり、メンター制度を導入することも効果的です。

A4

 情報システムに関する業務は拡大の一歩をたどっています。基本的・共通的なシステム設計は情報システム会社で開発・設計できても、顧客企業の細かいニーズを汲む固有のソリューション開発やシステム変更の多くは得意先に出向いて進めざるを得ません。
 情報システム企業におけるSEは最近までは男性の多い職種でした。しかし近年、女子学生のSE希望者は大幅に拡大し、外部営業や新規顧客開発等、全ての業務に配置されています。
女性SEの増員に伴なって、長期に亘り顧客企業に出向いて業務をこなす女性SEの数も拡大してきました。深夜に及ぶ業務に関しては、女性が単独で作業することがないよう務めるとともに、効果的なシフト編成に留意してください。また、顧客企業での作業が長期に亘る場合は、特に相互のコミュニケーションに工夫を凝らすなど、孤立感を感じさせないような配慮も大切となります。

【参考】深夜業に従事する女性労働者に対する措置

事業主は、その雇用する女性労働者を深夜業(午後10時~午前5時)に従事させる場合には、その女性労働者の就業環境等の整備に関し、特に次の点について適切な措置を講ずるべきである。

  1. 通勤及び業務の遂行の際における安全の確保
  2. 子の養育又は家族の介護等の事情に関する配慮
  3. 仮眠室・休養室等の整備
  4. 健康診断等
A5

 電気・エネルギー設備など大型機械に類する商品の営業には、商品知識はもちろんのこと、メンテナンス技術力が不可欠となります。ちょっとした不調やトラブル発生時には先方に出向いて問題箇所を修理したり、原因を突き止めて次のアクションに繋がなくてはなりません。このような技術営業とかサービス営業といわれる分野で重要なことは、技術力を踏まえた現場対応力です。現場対応力には当然ながらお客さまとのコミュニケーション力・人間関係力も含まれます。この人間関係力が次の受注につながる確率を高めます。
 今まで長年に亘って特定の男性社員を営業担当として配置してきたとのことですが、未来永劫同じ人、はあり得ません。どんな人でも対応できる作業の標準化やマニュアル化が必要です。また、「商品知識・技術力・人間関係力」の3拍子揃った人であれば男女を問わず技術営業・サービス営業は可能となります。男女を問わない人材の育成が肝要なのです。

A6

 グローバル化の進展により海外勤務は一般化しつつあるものの、男性と比較してまだまだ女性の海外勤務希望者は多いとはいえません。※学生時代の海外旅行体験比率が男子学生より女子学生のほうが高いのとなぜか対象的な結果です。
 若年時代にはアクティブだった女性が、入社後積極的に海外勤務を希望しなくなる最大の理由は「結婚・出産というライフプランに差し支えそう」といった漠然とした不安にあるのではないでしょうか。しかし、企業によっては海外勤務をキャリアパスの一つとしてその後の人材育成や処遇に反映させるところもあることから、是非積極的なチャレンジを期待したいところです。
 社内で長期勤続の重要性が理解され始めたいま、海外勤務経験がその後のキャリア形成にどれだけ役立ったかを先輩社員から語ってもらう場を設けたり、“3年間限定”など、勤務期間を明確に設定して、海外勤務にチャレンジしやすくすることも効果的と考えられます。

※学生時代の海外旅行体験比率が男子学生より女子学生のほうが高い:出典 日本旅行業協会「海外旅行者の性別・年齢階層別構成比率/2010年」

A7

 女性の活躍推進が進んでいるといわれている企業でも、全ての職域で女性が活躍しているとは限りません。女性が配置されにくい業務があるようです。総務・人事・財務経理・広報等のスタッフ部門と小売業の販売部門は女性比率が高い部門ではありますが、担当業務内容までさかのぼってみると明確な差があることも。例えば用地買収業務や資金調達業務、そして仕入調達業務等。重要な、多額の金銭の絡む、あるいは機密性の高い交渉業務については男性担当の比率が高くなっている傾向があります。これはその業務の特殊性や専門性の高さによる、というより、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、男女差が生じているのです。
※均等法違反とならない場合を除き、男性でなければならない職域というものはないはず。職域ごとに本当に必要となる知識や適性を洗い出してみてください。思い切って新任を女性に変えてみることが、全社的な意識改革のスタートとなることでしょう。

※均等法違反とならない場合:業務の正常な遂行上、一方の性でなければならない「芸術・芸能に係わる表現の分野」や「防犯上の要請に関する守衛・警備等」、そして「風俗・風習に左右される海外勤務」など、一部の業務

A8

 入社時には「ある程度働いて、ある程度給与を貰い、プライベートを充実させよう」と考え、転勤がない、指示に従って業務を行う等をイメージして一般職に応募した社員でも、入社後に先輩に刺激されもっといい仕事がしたい、もっと上を目指したいと考え、当初考えていた以上に意欲的に業務に取り組む社員もいるでしょう。そのような人財にとって、コースの転換制度があることはとてもモチベーションが上がります。ではどのような点に注意するとよいでしょうか。

 応募者の基準・転換要件を明確にし制度を公表すること。

 基本的に社内公募制度や自己推薦方式であること(上司の推薦であったり、推薦の証明が必要な場合でも申し込み・申し出は本人が行う事)。

 被転換者の適性を踏まえた上で公正な判断、決定を行う事。

 業務の質・量が変わる場合、転換後初期の段階においては上司や同僚等によりサポートが可能な配置(配慮)を行う事。

 転換により業務が変わる場合や昇進・昇格を伴った場合等は転換後一定期間は定期に上司またはメンター等との面談などでケアを行う事等は考慮しておくとよい事項です。

 コースが分かれている場合には、コース分けに「転居を伴った転勤の有無」が要件である場合もあります。しかし、業務内容でみた場合に、コースは違っていても職務分析を行ってみると、同じような業務を行っている場合もあります。

 これまで昇進の上限があったがコースを転換することによって上限が無くなったなど、転換により今後の処遇が大きく変わってくることもあるでしょう。

 しかし、同じような業務であるのにも関わらず、コースの違いだけで給与に大きな開きがみられるなど、転居転勤の有無を考慮した給与の差を以上の給与格差がみられるような処遇の場合、コース転換は考えていないが仕事はきちんと頑張っており、一定の評価をされている社員のモチベーション維持を大きく阻害することにもなりかねません。現在のコース間における処遇のズレの見直しを行う事は、転換とは違った形で社員のモチベーションを高めることの出来る一要因でもあります。

 また、転換に応募した社員の中で、評価者による決定により転換を見送った社員に対してはその理由や次回の応募に向けた対策などを評価者から直接アドバイスするなどの配慮が必要です。

※総合職から一般職にコース転換したいと希望する社員には、止むをえず転換を希望する方もいます(例えば親族等に介護が必要な方がいて、転勤が出来なくなった等)。本人から出来る限りの情報を得て、コース転換せずとも継続して就業できる施策を人事制度として考えること(一定期間だけ転勤を免除する制度や介護休業、介護短時間勤務等)も本人他の社員のモチベーション維持にも良い効果をもたらします。