診断結果活用Q&A集

V継続就業(仕事と家庭を両立させ、長く働き続けられるようにするための取組)

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 少子高齢化が進む中で、仕事と家庭との両立は男女に共通の重要な問題です。働き続けたいという意欲を持つ人が働き続けられる仕組みの提供等、女性の活躍の基礎となる分野です。妊娠・出産、育児・介護等で退職することなく働き続けられる仕組みを整備することはもちろんですが、短時間勤務等、柔軟な働き方を可能とする仕組みの整備や、働き方の見直しを推進する等働きやすい職場づくりを進め、男性も含めて支援することが必要です。

A1

 折角雇った人材が簡単に辞めてしまうのは会社にとって大きなマイナスです。女性男性にかかわらず社員から退職の申出がある場合には、本当の理由は何か、ヒアリングしてはいかがでしょうか?
 特に女性の場合には仕事と家庭の両立ができるという職場環境が整っていないという理由は聞かれないでしょうか?そうであれば、短時間正社員制度の創設等フレキシブルに働ける制度を設けるなど、両立できるようにさまざまな支援策を作り周知し実施する必要があります。
 一方、社員各人はスキルと知識を習得して仕事を通じて成長していくというキャリアパスを望んでいます。それがこの職場ではかなわないから辞めていくということもあります。会社としては、社員各々のキャリアパスを一緒になって考えるという姿勢を示し実践することも必要です。

A2

 最も重要なことは、女性社員が長く働きたいと思う会社になることです。長い職業人生のなかで出産・育児等のステージを乗り越えて自身の能力を最大限に発揮でき、やりがいのある仕事をこの会社で続けられると、女性社員に思われることです。
 まずは、そのような環境が自社に整っているかを確認する必要があります。自社の現状を把握してください。それには、「両立診断サイト」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/ryouritsushihyou/)を使って診断してみることが有効です。自社の両立支援対策の進展度合いや不足している点を客観的に判断できます。
 また、アンケートやヒアリングにより女性社員のニーズを把握することも、とても有効です。自社に欠けている点の改善や社員のニーズを盛り込む等、自社の実態に応じた具体的な目標と取組計画を策定し、職場慣行や働き方の見直しを計画的に実践してください。

A3

 「女性労働者の処遇等に関する調査結果報告書」((財)21世紀職業財団調査、平成17年6月)によると、女性労働者が就業継続のために必要なこと、会社に希望することの一番目は「子育てをしながらでも働き続けられる制度や職場環境」(51.7%)ですが、2番目には「やりがいが感じられる仕事の内容」(50.5%)があがっています。キャリアパスが明確でないために、将来の自分の姿が描けないことも退職する大きな要因なのです。
 会社が各社員とキャリアパスについて話し合い、会社が期待していることがわかれば制度を利用して勤務を続けるという女性社員が増えるはずです。一番の利用推進策は休業していた社員がスムーズに職場復帰している姿や短時間勤務中の社員が限られた時間内で生き生きと働き、設定したキャリアパスに基づき目標に向かってスキルを高めている姿です。ぜひロールモデルを作ってください。
 また、制度はあっても、取得しづらい雰囲気が社内にありませんか。そのような職場風土・慣行をなくし、制度利用を促進するために、両立支援の内容と手続についてのわかりやすい解説書等の作成・配布や社内イントラネットでの掲示、全社員への説明会の開催などが必要です。特に、管理者に対しては両立支援についての会社としての方針と必要性、そして具体的内容を理解させることが肝要です。
 また、育児・介護休業法第29条では、職業家庭両立推進者の選任が努力義務となっています。さまざまな事情のある取得見込者に対して、個別具体的にアドバイスすることも有効です。

A4

 育児休業期間は長いため、多くの取得者は休職後も職場復帰できるのか、不安な日々を過ごすことになります。会社として、この不安を取り除く支援策が必要です。例えば、休業者への社内報などの定期的な提供、休業中自宅でできるスキルアップのための講習、職場復帰前や後の講習などを挙げることができます。
 また、職場復帰にあたっては、原則として、仕事の内容や職場環境をよく知っている育児休業前の原職又は原職相当職に復帰させることに配慮してください。
 ただし、対象女性の職場環境等によって、その不安は異なるかもしれません。休業したことのある女性に「職場復帰にあたりどのような不安があったのか、会社に何をしてもらいたかったのか」などをアンケートや聞き取りにより確認することや、休業経験がある女性や休業予定の女性をメンバーに含めた各職域を網羅したプロジェクトチームによる支援策を検討すること等を行い、自社としての具体的支援策を定め、全社員に周知することが有効です。

A5

 まず、育児・介護休業の取得者が出た場合は、他の職域からの配転や応援も含めて他の社員がカバーする、それだけでは対応が困難な場合は、派遣社員や短期のパート等代替要員でカバーするのも1つの対処法です。
 他方で、このような場合でも他の社員が対応できるように、日ごろから社員一人ひとりの多能工化や作業の平準化と効率化が不可欠です。わかりやすいマニュアルを作成しておくことも重要です。
 また、短時間勤務取得者が増えると、同僚にしわ寄せがいくと考えられがちですが、逆に仕事を効率化するよい機会だと前向きに考えてください。限られた時間でいかに仕事をこなすのか等を考えるチャンスなのです。一人ひとりの仕事を洗い出した上で、各業務の時間配分や各社員の役割分担を見直してください。
 職場は社員全員が協働して作業する場です。「お互い様の精神」を日頃から根付かせることが大事です。

A6

 「仕事と家庭を両立させ、長く働き続ける職場を作ることが大切である」という認識が社員各層に浸透していないのではないですか、女性の活躍を推進することの必要性を認識させ、育児休業や短時間勤務制度がその一環であることを研修等で理解させることがまず必要です。
 同時に、取得者自身も「短時間勤務でもその時間を有効に活用して効率よく頑張る」という姿勢で仕事を行うことが大切です。取得者自身が新しい働き方のロールモデルとして後輩の手本となるという気持ちを持つようになれば、周りの社員も温かい気持ちで協力します。
 会社としては「仕事は社員全員の協働作業であり、良好な職場のコミュニケーションがあって初めてよい仕事ができる」ということを常日頃より教育指導することも重要です。このことにより、「仕事は職場の仲間が助け合って行うもの」という考え方が深まり、職場の仲間が育児休業や育児のための短時間勤務取得する際には、積極的にカバーするという気持ちが自然と生まれます。
 社員は誰でも介護休業や介護のための短時間勤務は取得するかも知れません。職場で「お互い様」の精神を醸成することが大事なのです。

A7

 バランスや納得性から休業取得者と取得していない人とをまったく同じに処遇することはないかもしれません。すべての社員に不公平感を感じさせない配慮が求められます。しかし、育児休業を取得したことによりその後のキャリアに悪影響を及ぼすことのないような処遇の仕組みが必要です。
 さらに、「資格等級制度における昇格の要件として一定以上の資格滞留年数を設定している場合には、休業期間も滞留年数に含める」等の仕組や、「昇格の実施にあたって、過去の評価期間において連続して一定水準以上の考課結果があることを条件にしている場合には、休業のため考課結果がない評価期間は昇格の評価対象とせずに、休業前後の評価期間における考課結果に基づいておこなう」等のキャリアリカバリーの制度が設けられることが望ましいと考えられます。
 いずれにしても、休業者本人が「子育て期間は長いライフサイクル・職業人生の1つのステージだ。キャリアアップ等は後で十分取り返しができる」と思えることがもっとも大事です。そのため、上司や人事担当者が休職前だけではなく、復職前、復職後にも休業者本人と面接して、自社の人事評価制度・基準などの説明を行い、休業取得者の人事評価に関する不安を払拭することです。

A8

 技術進歩についていけないという不安を緩和するには、各種の会社情報等を定期的に提供することはもちろんのこと、対象者のスキルや従事している業務にあった職場復帰プログラム(休業中自宅でできるスキルアップのための講習、職場復帰前や後の講習など)を会社が作り、休業中もスキルの維持・向上を計画的に行うことです。
 一方、休業を取得することで「社外での人的ネットワークの拡大」とか「社外の価値観や考え方に触れる」ことはもちろん、「仕事を新しい観点から見ることができる」、「仕事での時間管理能力が高まる」とか「仕事を効率的に進める能力が高まる」といったプラスの効果を生み、今後の仕事に大いに役立つということを、本人に認識してもらうことも重要なことです。休業中の能力アップ支援には国が費用の一部を助成する制度があります。
 また、子育てや介護をしつつ仕事を両立できるようにするには、勤務時間短縮の措置や時差出勤の制度はもちろんですが、在宅勤務や短時間正社員制度の導入など、対象者本人の事情に応じた利用しやすい方法を選択することができるようにする方法もあります。

A9

 営業という仕事は担当者と担当する顧客との人間関係が大事だということはわかります。しかし、育児休業に限らず社員の誰かが急な病気やケガで長期間休業することもあります。
 日頃から「担当者のみが顧客の情報を知っている」という状況を払拭し、組織として情報を共有化し、「組織として営業活動を行っている」という意識を全社員が持つことが重要です。休業期間中だけは他の営業担当者が分担するとか、ダブル担当制にするとか、休業者は顧客ごとの個別対応マニュアルを作るとか、組織として対応策を立案し実行することです。
 また、育児休業を取得する際には、上司が担当者とともに担当顧客へ説明に伺い、休業期間中も支障のないよう対応する旨理解を得ることも大切です。

A10

 仕事が忙しくて、恒常的に時間外が多いとか、有給休暇がとれないといった状況では、子育てと仕事の両立は難しいです。そればかりか、女性男性にかかわらず優秀な社員も離職してしまいます。会社にとって大きな損失となります。恒常的な長時間労働を減らしていく方法を考え、実行する必要があります。
 まずは、職場全員の仕事の内容を分析することです。「不要な業務はないか、重複している業務はないか、業務の流れや配分は適切か、上司から部下へ権限を委譲できる業務はないか」などの観点から仕事を見直してください。仕事のやり方を変えることにより、組織全体の効率化につながり、生産性向上が図られ、結果として恒常的な長時間労働がなくなります。
 ただし、今までの仕事のやり方を変えることは容易ではありません。全社員に共通の認識を持たせ、やり抜くことが重要となります。場合によっては、外部の取引先や得意先まで巻き込むことも必要となります。