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特別対談 雇用機会均等法から25年

男女雇用機会均等法施行から25年が経過した現在、女性役員も誕生するなど女性の活躍は広がりつつあります。この25年間の歩みと現在の状況、今後の課題などについて、慶應義塾大学教授の樋口美雄氏に、21世紀職業財団会長の松原亘子氏とご対談いただきました。


樋口 美雄氏

慶應義塾大学 商学部教授

Profile
1980年慶應義塾大学大学院博士課程修了。米コロンビア大学客員研究員を経て、1991年から現職。商学博士。専門は労働経済学・計量経済学。「仕事と生活の調和」推進官民トップ会議委員をはじめ多くの公職を務める。『雇用と失業の経済学』など著書多数。

松原 亘子氏

財団法人21世紀職業財団 会長

Profile
東京大学教養学部卒業。1964年労働省入省。婦人局長、労働基準局長、労政局長を経て、1997年女性初の事務次官に。日本障害者雇用促進協会会長、駐イタリア大使を歴任し、2006年7月から現職。

啓発的な役割を期待して「男女雇用機会均等法」が誕生

松原氏  男女雇用機会均等法の施行から25年が経ちますが、当時は「ザル法だ」、「実効性がない」などとずいぶん批判されました。そのようななか、当時の大臣が「この法律についてはそんなにあせって進めるのはよくない。批判はあるかもしれないけれど、まずはこのかたちでスタートして、"スロー・バット・ステディ"で行こうではないか」と言われたのです。たしかにゆっくりだったかもしれませんが、この25年の間に、女性の職域も確実に広がりましたし、管理職も少しずつ増えつつあります。

樋口氏  これまでの法律は一般に社会の変化の後追いで、発生した問題を解決するために作られるものが多かったのですが、男女雇用機会均等法は社会をリードする啓発的な役割を期待するというかたちで成立しました。当時の社会を振り返ると、どちらかというと専業主婦世帯が主流で、その保護のため配偶者特別控除や第3号被保険者などの制度が作られた時期でしたから、この法律だけが別のベクトルを向いていたと思います。そうした社会の中でこの法案を通すのはたいへんな苦労があったのではないかと思います。

松原氏  「文化の生態系を壊す」という人もいましたからね。

樋口氏  その後のバブル経済で需要が高まり、女性の活用がかなり進展しました。この世代を私どもは均等法世代といっているのですが、当時の女子学生たちは、卒業したら会社に勤めて、昇進して管理職になっていくことを夢見ていましたし、現実に活躍する人たちも現れました。ところが、90年代にバブルが崩壊し、人員削減などにより女性の活用にブレーキが踏まれ、失われた10年、20年という時代になったわけです。女性の大卒者数も増え、なかには専業主婦になりたいという人も出てくるなど、多様な考え方の人が大卒女性の中にも生まれるようになってきています。


EVOLUTIONとは:展開、発展、進化を意味します