
システムインテグレーション事業、ITサービス事業、組込みソフトウェア事業を手掛けるリコーITソリューションズでは、「2014年度期初の女性管理職比率10%(女性の中の管理職比率)」を数値目標に掲げ、先進的なポジティブ・アクションの取組を行っています。取組に至るまでの経緯や現状と課題について、具体的に施策を進めるダイバーシティ推進委員会委員長の木原民氏にお聞きしました。
木原 民氏
経営企画本部 経営戦略センター 副センター長
兼経営戦略センター コーポレートコミュニケーショングループ リーダー
ダイバーシティ推進委員会委員長
- Profile
- Profile
- 1985年
- (株)リコー入社 研究開発本部 中央研究所
- 1995年
- 社内ベンチャープロジェクト
産婦人科様向け「ご出産記念CD-ROM」提供
ビジネスプロデューサー - 2002年
- グループ技術開発本部 技術企画室
- 2004年
- DS&S事業部 商品企画室
- 2006年
- NetRICOH事業部 NR企画室 マーケティングG リーダー
- 2009年
- リコーITソリューションズ(株)出向
ダイバーシティ推進でのポイントは経営層のコミットメント
木原さんはダイバーシティ推進委員会の委員長ですね。どういう経緯でこの委員会は立ち上がったのでしょうか。
木原氏:私はダイバーシティ推進委員会の委員長を2010年7月からやっています。実は、それ以前の2010年2月に前身の委員会が立ち上がり、その時も委員長でした。最初の委員会は、女性だけで構成されており、女性の課長職以上の組織職も委員長である私のみでした。ダイバーシティ推進は、女性が自分たちで頑張る問題と考えられており、意識はそれほど高くなかったと思います。それでは会社全体を動かすことはできません。私はダイバーシティ推進を経営層のコミットメントにもって行きたいと考えていました。
ちょうど、2010年5月、リコーグループ内のダイバーシティ推進会議の幹事を当社が担当する機会がありました。それまでは女性が中心で規模も小さかったこの会議を、当社はより高い視点での経営層向けの会議として企画しました。具体的には、当社も所属する一般社団法人情報サービス産業協会の浜口会長、また、同業でありお取引先様でもあるTIS株式会社の小野田執行役員に参加いただき、「経営課題としてのダイバーシティ」をテーマにご講演いただきました。お二人とも、当業界の経営者として有名な方であると同時に、ダイバーシティの取組でも非常に実績のある方です。結果、参加者300名のうち、半数以上が組織職の男性となりました。おかげさまで会議は非常に盛り上がりました。会が成功し、女性の活躍が大事であるということについて一定の合意が得られたので、この機会を逃さず、一気に当社の経営層に働き掛けました。実効力のある人を委員会のメンバーとする新体制を提案して承認してもらったのです。
それで、2010年7月に仕切り直しで新体制が発足したのですね。
木原氏:はい。新体制では、社内で実質的な権限を持つセンター長(組織の第二階層)クラスのメンバーを委員にしました。結果、委員長ともう一人の女性委員(グループリーダークラス)を除き、あとは全員男性になりました。新体制では、色々な会社が既に実績を上げている良い取組を参考にし、どれだけクイックスタートを切れるかを重視して推進しました。たとえば、親会社のリコーは1990年代からダイバーシティに取り組んでいるので、既に相当の蓄積された経験やノウハウがありました。さらにリコーだけでなく、同業他社のベンチマークで得られた知見や好事例も、積極的に吸収してきました。