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「この人に聞きたい!」コーナー  ポジティブ・アクションについて、有識者の方にお話を伺う「この人に聞きたい!」コーナー。
今回は、日本女子大学人間社会学部 現代社会学科教授で、現代女性キャリア研究所所長も務めていらっしゃる、大沢真知子先生にお話を伺いました。

大沢真知子氏

大沢 真知子氏

日本女子大学人間社会学部 現代社会学科教授

Profile
南イリノイ大学経済学部博士課程修了。Ph. D(経済学)。シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学助教授、亜細亜大学助教授を経て、現在日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授、同大学現代女性キャリア研究所所長。近著に、『妻が再就職するとき』(NTT出版、2012年)『日本型ワーキングプアの本質』(岩波書店、2010年)、『ワークライフシナジー』(岩波書店、2008年)、『ワークライフバランス社会へ』(岩波書店、2006年)『21世紀の女性と仕事』(放送大学教育振興会、2006年)など。

大沢先生の研究テーマについて教えて下さい。

女性労働の研究を専門としています。特に女性労働と女性のキャリア形成および家族の形成の関連や家庭と仕事の両立について研究テーマにしています。私はアメリカに留学したのですが、当時のアメリカは女性の社会進出が大変進んだ時期で、時代の空気の変化を実感したことは大変貴重な経験でした。アメリカでは当時、大統領の行政命令によるアファーマティブ・アクションとそれに続いて雇用平等法が出来たことで、男女の平等に関しての意識が高まりました。法整備により新しい時代のうねりが始まり、女性たちも、医師、弁護士、そして博士号などの高度な資格を取得し専門性を身につけて、差別を受けず平等に働いていく道を積極的に選んでいきました。これは「静かな革命」とよばれています。

米国と比較すると、日本のポジティブ・アクションは
今どんなステージにあるでしょうか。

女性の社会進出が進んだ時期を大きな経済の視点で見ると、米国では製造業が衰退し、男性の賃金も下がっていった時期とちょうど重なります。製造業にかわってサービス業中心の経済へと転換していくなかで、一家の中で男性一人が仕事をして家族を養うというモデルから、夫婦が共に職業を持つというダブルインカムへと就業構造が変わっていきます。そして、アメリカの世帯において家庭の生活水準を向上させるためには、妻の所得が不可欠となってくるのです。また、女性の社会進出が進み、女性社員の貢献が高まると企業は女性の家庭と仕事の両立を支援せざるを得なかったのです。そのために、企業における両立支援も進みました。当時アメリカが経験したこの流れは、まさに製造業からサービス業へと転換を迎えた今の日本に当てはまります。

製造業からサービス業への転換で、女性らしさが仕事に活きる時代の到来

 日本が今後経済的な活路を見出すためには、製造業にかわりサービス業を発展させる流れは不可避です。サービス業は女性の視点が最大限活かされる分野です。消費者も7割は女性ですので、消費者の心を掴むためにも、企業は女性の視点をもっと活かし、経済を活性化させることが求められています。また、女性が経営のブレーンとして活躍することは、企業の女性活用に不可欠であるだけでなく、従来にはなかった発想をもたらし企業にイノベーションをもたらすのです。

女性の活躍が経済の活性化につながるよう、
女性の能力を発揮するための両立支援を

現在、少子高齢化がどんどん進行していくなかで、労働力としての女性の活躍の必要性が叫ばれていますが、女性の活躍が単に労働力の量の増加につながるだけではなく、女性人材を育成することで、業績を上げ業務の効率化を進めることが、企業の更なる活性化に欠かせなくなっています。そのためには、女性の能力が活かされるための両立支援やワーク・ライフ・バランスの環境を整える必要があります。

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