グッドプラクティス企業 ポジティブアクションに取り組む企業にお聞きしました

第24回伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

情報をオープンにすることがガバナンスの第一歩。 当社を知っていただき、当社を選んでほしい。

 ITシステムに必要な製品、IT基盤の構築、開発、保守、運用といった全てを提供する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称:CTC)は、多彩な個性が多様な働き方で力を合わせ、新しいことに挑戦し自己実現できる職場環境こそが新たなソリューションや良いサービスを生み出すというお考えのもと、ダイバーシティを推進していらっしゃいます。そのお取組内容や結果、実績値については、社内外へ積極的に情報公表していらっしゃいます。今回は、人事総務室 人事部 部長 次藤 智志氏と同部 人事統括課 課長 黒川 一美氏に同社のダイバーシティ推進へのお取組、積極的な情報公表を行う理由やその影響についてお話をうかがいました。

(右側)人事総務室 人事部 部長 次藤 智志氏
(左側)人事総務室 人事部 人事統括課 課長 黒川 一美氏

(右側)
人事総務室
人事部 部長
次藤 智志氏

(左側)
人事総務室 
人事部 人事統括課 課長
黒川 一美氏


メンター制度を通じて、女性社員のネットワークを構築

―御社が女性活躍推進の取組を始めたきっかけは何でしょうか。

 当社では、高い専門性を持った社員に男性女性問わず長く活躍してもらいたいという思いがありました。女性の活躍という面では、社員に占める女性比率が他社と比較して低いことに課題意識を持ち、女性活躍推進の取組をスタートしました。2006年にトップメッセージとしてダイバーシティ推進に取り組むことを宣言、2007年にダイバーシティ推進課を設置し、女性社員をはじめ、すべての社員が仕事と育児を両立できるような制度の充実を図りました。しかし、女性比率は14~15%で推移し、両立支援制度導入だけでは大きな伸びにはつながりませんでした。2014年に全社で長時間労働を削減するための取組を開始し、2016年からは女性活躍推進の第2フェーズのスタートとして、さまざまな施策に取り組んでいます。2018年の女性比率は16.5%と増加してきており、少しずつではありますが取組の効果を感じています。

―女性活躍推進に関して、どのようなことに取り組まれていらっしゃいますか。

―メンター制度を通じて、女性社員のネットワーク構築を図る―
 2007年から女性社員を対象として、メンター制度を導入しています。何度か制度の見直しを行い、現在は2、4、6年目の女性社員に対して、同一職種で職場が異なる女性先輩社員がメンター(支援者)となり、定期的な交流を図っています。
 導入のきっかけですが、当社では女性社員が少なく、女性の先輩がいない職場もあり、キャリアを描く上でのロールモデルの提示や女性社員同士のネットワーク作りを目的として開始しました。仕事の相談やライフイベントを含めたキャリアの相談をする中で、将来どのような仕事、働き方をしていきたいかというキャリアプランを若年時から描くことができるようになりました。一方メンターからは、メンティ(相談者)の支援にあたることで、「自分自身のキャリアを振り返る契機になった」、「社内にも知らないことがたくさんあることに気づき、さらなる成長意欲がわいた」、「傾聴のスキルやより深い業務知識の取得につながった」といったポジティブな声が上がっています。
 さらに副次的な効果として、メンター制度から派生した横のつながりが、社内の業務効率化に一役買っています。当社は、部門ごとに専門性の高い業務を担っているため、社内であっても他の部署の業務内容はわかりにくいことがあります。しかし、社内のネットワークが構築されつつあることで、「この案件だったら、あの人が専門だ。あの人に相談してみよう」という部署を超えたつながりができ、お客様により良いソリューションをスピーディに提供するための当社の強みの一つとして機能しています。
 2016年には、社内イントラネットにダイバーシティの活動紹介や情報提供を行うサイト「Chorus」を開設しました。「Chorus」という名前には、様々な人がハーモニーを作り出すという思いを込めています。女性活躍推進に関する当社の現状や取組の共有と職場における風土醸成を目的とし、全社員に向けた経営トップからのメッセージや、データに基づいた当社の現状や課題、社長と外部有識者との対談などを紹介しています。女性活躍推進の取組は、女性社員自身はもちろんのこと、男性社員も、管理職も含めた全社員が取り組むべき施策であるという会社としての方向性を示す役割も担っています。

―男女問わず、すべての社員が働きやすい職場づくり―
 2014年の朝型勤務導入を皮切りに、柔軟な働き方を実現するための職場環境づくりに取り組んでいます。取組開始のきっかけは、残業ありきの働き方の見直しです。9時から17時30分の勤務を基本とし、20時以降の勤務は原則禁止、深夜勤務及び会社休日の勤務は禁止としました。また、どうしても残業が必要な場合には、疲れがたまった状態の夜ではなく、頭がすっきりしている早朝に働くよう推奨しました。すると、夜の残業は減りましたが、早朝勤務はそれほど増えず、結果として全社の平均時間外労働時間が一月あたり約10時間の減少となりました。
 2016年には、「時間」と「場所」の選択ができる勤務制度を導入しました。「時間」の選択としては、時間単位での年次有給休暇(毎年度3日分(24時間)まで)の取得を可能とし、スライドワーク(週2回を限度に、7時~10時の範囲において30分単位で始業時刻を繰り上げ・繰り下げできる制度)を導入しました。時間単位有休とスライドワークを組み合わせて利用することも可能で、子どもの学校行事や通院等のため利用されています。2017年度には、時間単位有休は1,176名、スライドワークは938名の利用がありました。業務への影響を最小限にとどめながら、メリハリのある働き方ができると社員にも好評です。「場所」の選択としては、モバイルワークの環境を整え、移動時間や通勤時間の削減、隙間時間の有効活用により、業務の効率化を図れるようになりました。また、在宅勤務利用の要件について大きく見直しを行い、在宅勤務時には子どもが不在の場合に限るという要件を緩和し、実情に合わせて利用しやすい制度としました。それまでの「事情のある社員のためのセーフティネット」としての機能から、「育児中の社員のキャリア形成支援」「社員の働きがい向上と会社の効率的な労働環境構築」のための制度として方向転換を図った形です。
 そのほか、導入した制度が形骸化せず、有効活用されるための工夫として、「退社時間見える化カード」を作成しました。働き方に応じた合計20枚のカードがセットとなっており、派遣社員を含む全就業者に配布しています。その日の業務時間を机上に提示することにより、自らの業務効率化への意識を高めることや、周囲とのコミュニケーションの促進に役立っており、柔軟な働き方が職場に浸透するためのツールとして活用されています。

「退社時間見える化カード」

 2017年に健康経営優良法人2017(ホワイト500)認定を受けました。当社では、社員の健康維持促進を目的とした有効な施策を実行するため、同年に健康保険組合を立ち上げました。がん総合健診や健康診断の2次検査を会社負担とする等、健康で活き活きと長く活躍してもらうための施策を工夫しています。もし、がんなどの病気になった場合でも、治療と両立しながら働けるよう、時間単位有休やスライドワーク等の柔軟な働き方や、休職制度等を準備しています。長時間労働削減に取り組んできたことも、社員の健康を考えてのことでしたので、健康経営優良法人2017(ホワイト企業500)の認定取得は、取組の成果を確認する上で良いきっかけになったと考えています。

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