グッドプラクティス企業 ポジティブアクションに取り組む企業にお聞きしました

第25回株式会社 イトーヨーカ堂

情報をオープンにすることがガバナンスの第一歩。 当社を知っていただき、当社を選んでほしい。

 全国に総合スーパーを展開する株式会社イトーヨーカ堂は、女性社員の視点や感覚を活かした商品開発やサービスがお客様満足の向上につながり、企業の競争力強化に貢献するというお考えのもと、女性を含めたすべての社員が活躍できる職場づくりを進めておられます。また、えるぼし認定(3段階目)の取得や、『女性の活躍推進企業データベース』に全データを公表するなど、女性活躍に関する情報を積極的に外部に公表していらっしゃいます。今回は、人事部 給与担当マネジャー ダイバーシティ推進プロジェクトリーダー 津田 雅史氏に、同社の性別や社員群※1にかかわらず、すべての社員が働きやすい職場づくりへのお取組についてお話をうかがいました。

※1 同社における転居を伴う異動の有無や働く時間などによって選択可能な働き方や処遇の区分

(右側)人事総務室 人事部 部長 次藤 智志氏
(左側)人事総務室 人事部 人事統括課 課長 黒川 一美氏

人事部
給与担当マネジャー
ダイバーシティ推進プロジェクトリーダー
津田 雅史氏


1990年代から仕事と家庭の両立支援を開始

―御社が女性活躍推進のお取組を始めたきっかけは何でしょうか。

 当社では、創業以来「お客様、取引先、株主、地域社会、社員に信頼される誠実な企業でありたい」を社是に掲げています。社員に対して誠実な企業であるために、すべての社員がやりがいを感じて働くことができる職場づくりに取り組んでいます。当社は、女性活躍やダイバーシティという言葉が広まる前の1990年代から、女性が育児と両立して働き続けられる職場づくりに着手しました。当社では、全社員の約7割がパートナー社員と呼ばれるパートタイマーで、その多くは家事や育児を担う女性です。女性社員はもとより、接客のスキルや生鮮の技術を身に付けたパートナー社員にも、当社で働き続けてもらうため、仕事と家庭の両立への支援を開始しました。優秀な人材を確保することは、店舗運営において重要な課題であったからです。2012年からは、「ダイバーシティ推進プロジェクト」として、男女ともに活躍できる職場づくりを目指し、制度の見直しや、管理職の意識改革等を進めています。
 そのような制度づくり、風土醸成の積み重ねがダイバーシティ推進や女性活躍に関する評価につながり、2016年9月には、女性の活躍推進が優良な企業として厚生労働大臣から認定される「えるぼし認定」の3段階目(最上位)を取得しています。

「リ・チャレンジプラン」はパートナー社員も利用可能
すべての社員がやりがいを感じられる職場づくりに取り組む

―女性活躍推進に関して、どのような制度、お取組をしていらっしゃいますか。

―仕事と家庭の両立をサポートするための制度や取組―
 当社では、1991年に育児をする社員をサポートするための「リ・チャレンジプラン」を導入しました。その後、社会の変化や社員のニーズに合わせて、介護プランの導入やパートナー社員への適用等、制度の拡充を図ってきました。
 現在の「リ・チャレンジプラン」は、出産・育児制度と介護制度があり、一人ひとりの働き方に合わせて4つのプランを選択、組み合わせて利用することができます。「短時間勤務プラン」は、育児の場合、子どもが中学校1年生の4月15日まで、所定労働時間を1、1.5、2時間短縮して勤務することができます。「午後7時以前に勤務終了プラン」は、フルタイムシフトで働く社員を対象として、午後7時以降の勤務を免除する制度です。各店舗での運用に委ねるだけでなく、あえて制度化することで、上司や周囲のメンバーが変わっても同じように働き続けることができるようにしています。そのほか、「休職プラン」、「再雇用プラン」を整備しており、いずれのプランも男女ともに入社1年以上の社員であれば、パートナー社員も利用可能です。また、短時間勤務プラン利用中でも、昇格や人事考課への影響はありません。「リ・チャレンジプラン」の利用者数は、毎年、出産・育児制度が約200名、介護制度が約20名で継続的に推移し、延べ利用者数は4,000人以上になります。出産・育児制度の利用者のうち、約半数がパートナー社員で、社員群を問わず利用可能な風土が根付いていると言えます。

 制度のネーミングから再雇用がメインの制度と思われることもあるのですが、実際は「再雇用プラン」が利用されるケースはほとんどありません。「短時間勤務プラン」や「休職プラン」を利用して、できるだけ辞めずに続けてほしいと働きかけています。「リ・チャレンジプラン」導入は1991年で、1992年の育児休業法(1995年に育児・介護休業法に改定)施行前でしたので、両立支援制度の導入はまさに「チャレンジ」だったのかもしれません。近年では、企業の両立支援は当たり前の時代になったことから、社内で「制度名を変更してはどうか」という議論もあるのですが、歴史あるこのネーミングに愛着を感じている社員も多いです。

 そのほか、2012年頃から毎年、育児中の社員を対象に意見交換会を実施しています。当初はネットワーク作りやキャリア支援を目的としていましたが、近年は育児中の働く女性の視点を商品開発や売場のサービスに活かす試みを行っています。育児中の社員のアイデアはまさに「安全・安心」な商品やサービスの開発に直結するヒントが満載であることから、その視点を大いに活かし、商品化、実運用につなげていきたいと考えています。育児中の社員にとっても、育児や家庭での経験が業務に活かされることは、さらなるやりがいにつながっているという声を聞きます。
 また、セブン&アイグループ全体の取組として、本部にて2016年から「スポット保育」を実施しています。当グループでは、本社においても繁忙日である祝日は勤務日となっています。祝日の子どもの預け先を確保するために、自社の会議室を利用し、保育施設運営の専門業者に委託する形で、運用しています。

―すべての社員がやりがいを感じて働くための制度―
 2002年から導入している「社内立候補制度」は、入社3年以上の社員であれば、現在の仕事内容や経験・年功に関係なく、誰でもすべての役職(役員を除く)と職種に立候補できる制度です。制度導入以来延べ約1,700名が希望した役職・職種に就いています。
 同じ職場で培った経験も大切なのですが、一方で、お客様に驚いていただけるような新鮮な売場づくりのためには、新しい発想、新しいチャレンジが必要です。「過去を捨て新しいことに挑戦しよう」というスローガンのもと、さらなるステップアップを会社としても奨励しています。そして、やりがいを感じられる風土づくりが次のチャレンジにつながっていくと考えています。

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