WEBマガジン EVOLUTION vol.1 リレーエッセイ

 毎号各業界でご活躍の方にポジティブ・アクション推進に向けて自由にご発言いただくこのコーナー。 スタートは、厚生労働省雇用均等・児童家庭局・雇用均等政策課課長の吉本明子氏に切っていただきました。

第1回 吉本 明子

女性の活躍推進のキーワードは「ポジティブ・アクション!」

吉本 明子氏

厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課 課長
PROFILE

厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課 課長

旧労働省入省、農林水産省経営局普及・女性課長、
厚生労働省労働基準局勤労者生活課長などを経て
2009年8月より現職

ポジティブ・アクションとは

 先頃「新成長戦略(雇用・人材戦略)」が閣議決定されました。「女性のM字カーブ解消」について、2020年までに25歳~44歳までの女性就業率73%(2009年66%)とする目標が設定されています。一方、現状をみると、依然として6割の女性が出産・育児により離職しており、また、勤続年数、管理職に占める割合、賃金等に諸外国と比べても大きな男女間格差があります。女性の就業促進、能力発揮・活躍促進の観点から、こうした事実上の男女間格差を解消するための企業の取組が、まさに「ポジティブ・アクション」です。

企業の雇用管理は変化したか

 厚生労働省では、6月を男女雇用機会均等法の公布日を記念して男女雇用機会均等月間としていますが、今年は公布後25年目となりました。この間、均等法は2度の大きな改正が行われ、また、企業の雇用管理も変わってきました。
 先般、男女間賃金格差に関する研究会(厚生労働省開催)の報告書がとりまとめられましたが、そこでは、企業の賃金・雇用管理において、制度そのものに正の要素が組み込まれていることはほとんどなくなっているとした上で、制度の運用段階、すなわち採用、配置・仕事配分、育成方法や人事評価といった各段階においてはなお男女に偏りが生じているといった現状認識が示されています。
 さらに、制度面での男女均等は既に整備されているという認識が広がるにつれ、雇用管理を進めるに当たっての男女別データを点検することも少なくなり、事実上の格差について認識しにくくなっている状況も懸念されています。

働く個人は変化したか

 一方で働く人たちはどうでしょうか。女性の職域は広がり、管理職も増え、今や「女性初」といったフレーズを目にすることは少なくなったような気がします。女性が働き、活躍することが当たり前になった時代、しかしだからこそ、多様な選択肢がある中で、女性自身が働くことの魅力をどうつかみ取っていくかが難しくなっているようにも思います。
 実際に職場に目指すべきロールモデルがいるかどうか、女性労働者が男性労働者とともにモラールを維持向上させ、チャレンジできるような風土・環境にあるかどうか、あらためて働く側の意識の面からの検証を行うことも必要です。

まずは男女間格差の「見える化」から

 そこで、まず今一度、企業において、雇用管理の各ステージに本当に男女の偏りの要因がないかどうか、労働者の意識も含めて実態把握を行い、「見える化」に取り組んではどうでしょうか。厚生労働省としても今後、「見える化」支援ツールを提供することを予定しており、「見える化」を第一歩に、ポジティブ・アクションの意義・必要性を再確認し、新たなムーブメントにつなげていければと考えています。

CASE STUDY

取組事例紹介

ポジティブ・アクション応援サイト