WEBマガジン EVOLUTION vol.3 リレーエッセイ

毎号各業界でご活躍の方にポジティブ・アクション推進に向けて自由にご発言いただくこのコーナー。第3回めは、第一生命保険株式会社 執行役員人事部長の川島貴志氏に、企業におけるダイバーシティ推進の取組についてご執筆いただきました。

第3回 第一生命保険株式会社 川島 貴志

企業の成長戦略としてのダイバーシティの推進

川島 貴志氏

第一生命保険株式会社 執行役員人事部長
PROFILE
1983年4月 第一生命保険相互会社入社
2004年4月興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
(現DIAMアセットマネジメント株式会社)部長待遇
2005年4月 人事部長
2009年4月 執行役員人事部長(現在に至る)

女性リーダーの育成に向けた取組

 2010年4月、当社は、経営環境の変化をふまえ、より柔軟な経営戦略を取り得る株式会社へと組織形態を変更し、株式の上場を果たしました。そして、当社の成長戦略の一環として、多様な人財(※1)の価値観や新たな発想などを受け入れ活かしていく「ダイバーシティ推進」を掲げています。
 当社のダイバーシティ推進の歴史は古く、1990年代前半から一般職のまま係長職や管理職に昇進できる制度や一般職でも法人営業等の営業職務に就くことができる制度を整備し、女性の職位登用や職務拡大に取組みました。2000年代後半には、活躍する女性がより働きやすくなるよう、充実した能力開発体系・先進的なファミリー・フレンドリー制度を導入しました。
 こうした取組を通じて、今では係長職の3分の1、管理職の6.6%が女性となり、あらゆる組織で女性リーダーが活躍しています。

ダイバーシティを経営課題解決につなげる

 当社のダイバーシティ推進について、これまでの「ポストに就けて女性を育てる取組」を第1ステージとすると、現在は「あらゆる女性が主体的に経営課題解決に取組む」第2ステージへとレベルアップしたと感じます。そのきっかけは、ある女性管理職の一言でした。社内で「何のためにダイバーシティ推進をしているのか」という議論をしていた時、その女性管理職が「男性だけではなく女性の個性も活かすことで経営課題を解決するため」と言ったのです。つまり、その女性の強みを活かせる職務を付与する-ただしこの職務は経営課題の解決につながる付加価値の高いものでなければなりませんが-ことで、職員の人財価値の向上と会社の経営課題解決を同時に追求する考え方です。この考えを共有できた時が、ダイバーシティ推進の目指す姿が確実なものになった瞬間でした。
 今年度は全社で「ダイバーシティ推進=経営課題解決」という明確な目的を共有した上で、女性にその特性を活かした職務付与を行うことで経営課題を解決するために、職員の意識改革・職務付与の高度化による働き方変革に取組んでいます。

ダイバーシティをより大きな"うねり"に

 ダイバーシティ推進を全社にしっかりと根付いた取組とするために大切なことは「何のためにダイバーシティを推進するのか目的を明確にすること」と考えます。弊社では女性の大半は一般職出身(※2)で、お客さまサービスに長け、豊富な実務知識を持っています。これらの強みは営業職務への展開や、持ち場のカイゼンによる品質向上に活かすことができ、経営課題解決の大きな武器となります。
 2010年10月にダイバーシティ推進大会を開催し、女性が経営課題に直結する職務を担っている職場や営業職務などで活躍するロールモデルを全社レベルで"見える化"したことで、意識改革・働き方変革のスピードが加速度的に速まっています。こうした個性と個性をチームワーク力で結び、一連の流れをさらに大きな"うねり"に変え、絶えざる品質向上・生産性向上に向けた動きをより強固なものにしていきたいと考えています。

(※1)当社においては「じんざい」の「ざい」という字は材料の「材」ではなく財産の「財」の字をあてています。
(※2)当社は2009年7月に、適材適所の職務付与を進め人財価値の向上と生産性の向上を実現するため、従来の総合職・一般職という職務区分を廃止し、基幹職へ一本化しています。

CASE STUDY

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