WEBマガジン EVOLUTION Vol.4 グッドプラクティス企業

第4回 第一生命保険株式会社

昭和62年に第一生命保険明石支社に入社以来24年同支社に勤務。女性職員中心のカイゼン活動や、本社でのマネジャー養成塾に参加することにより、上位を目指す意識が芽生えたという棚野るり子氏。昨年4月にはCS推進統括部長という管理職ポストに就き、お客さま対応の責任者として活躍されています。管理職として仕事をしていくうえで感じていること、ポジティブ・アクション施策から受けた影響などについてお聞きしました。

活躍している女性に聞く

つらいこと、ミスしたことは糧になる。
そこを逃げずに克服してほしい

棚野 るり子氏氏

第一生命保険株式会社

明石支社 CS推進統括部長(マネジャー)

棚野 るり子
第一生命保険株式会社
明石支社 CS推進統括部長(マネジャー)

PROFILE

昭和62年 第一生命保険相互会社入社。明石支社総務担当。平成12年4月、同 窓口担当業務主任。平成14年4月 同 営業サポート兼総務担当 副長。平成15年4月 同 保有業務担当 アシスタントマネジャー。
平成22年4月より 同 CS推進統括部長。

対応責任者として、お客さまお申し出(苦情)の大幅減少に取り組む

-明石支社ではどれぐらいの方が働いていらっしゃるのですか。
棚野氏 支社全体では営業職が360名、事務職が40~50名いますが、全員が一カ所にいるわけではなく、営業オフィスが12カ所あり、1オフィスごとに営業職が20~40名、事務職が2~3名在籍しています。支社内には事務職が20名くらいいます。

-「ダイバーシティ推進大会」では、事例発表をされたそうですね。
棚野氏 私はCS推進統括部長として、お客さま対応の責任者をしていますが、ダイバーシティ推進者も兼務しており、お客さまからのお申し出減少に向けた取組事例を昨年発表させていただきました。お客さまと直接対応するのは営業職が多いので、営業職の方に「なぜお申し出につながるのか」というアンケートをとったところ、「お客さまの期待」と「職員の認識」とのギャップにその原因があるということがわかりました。そこで月2回開催される研修会を利用して、営業職と事務職みんなで課題を共有し、考え、改善に取り組んできました。その結果、お申し出は大幅に減少し、対前年比では43%減となりました。

-43%減とはものすごい数字ですね。CS推進統括部長になる前はどういうポジションに就かれていたのですか。
棚野氏 平成22年4月にCS推進統括部長(管理職)になりましたが、それ以前は保有業務担当という契約後のアフターフォローのお手続きを取り扱う担当で、アシスタントマネジャーをしておりました。

社内のカイゼン活動チームや本社での研修へ参加し、上位を目指す意識が芽生える

-管理職にステップアップしようと思ったきっかけは?
棚野氏 一つは平成14年に、女性職員が中心となってカイゼンの取組を行う「New Best Way活動」という活動があり、そのリーダーになって全国大会で優勝したことです。そのとき、チームワークで何かをやりとげるのは素晴らしいことで、大きな力を発揮できるのだと感じました。もう一つは、平成19年に「マネジャー養成塾」に参加させていただいたことです。管理職を目指してリーダーとして業務にあたるという意識をもつ、よい機会になりました。

-「マネジャー養成塾」では、どのようなことが印象に残っていますか。
棚野氏 ロールプレイがおもしろかったですね。例えば「自分の部下がチームワークを乱した場合、あなたはどういう指導をしますか」という課題が出され、20名ぐらいの参加者と意見を出し合い、議論をしたり良いところを褒めあったりしました。当時は管理職なんてまだまだ先という意識でしたが、ほかの参加者は上位を目指す意識が高く、その影響を受けたことが大きかったですね。実際にCS推進統括部長を拝命したときに、自分の経験の場と理解して「日々精進して頑張ろう」という気持ちで臨めたのは、マネジャー養成塾への参加経験があったからだと思います。

調整力と交渉力で、お客さまとの問題解決に臨む

-実際にマネジメントする立場に立たれ、どういうスキルが必要だとお感じですか。
棚野氏 調整力と交渉力が必要だと思いますが、私は入社以来ずっと明石支社で、本社でも他支社でも勤務したことがありません。幅広い知識、俯瞰図で物事を見るということがまだ足りていないので、なんとか補っていきたいと考えています。

-ですが、実際にお客さまお申し出を43%も減少させていらっしゃいますし、営業職や事務職の方の協力を引き出す能力をお持ちだと思います。
棚野氏 お申し出の減少は私一人の力ではなく、支社長の経営方針であったことも、スムーズに進められた要因だと思います。各営業オフィスでは営業職と事務職が一体となってマナー研修や事例の共有化を実施しました。また具体的なお申し出対応については、CSグループ全員で改善策・対応策を考えていますが、そこには優秀なスタッフが揃っており、お客さま対応の課長や次長とも連携してベストの方策を検討した結果だと思います。また月に1回、「お客さまの声委員会」という会議を支社内で開催し、お客さま対応の担当だけではなく、支社長、副支社長のほか、営業サイドの担当、総務担当からも参加して、前月のお申し出内容の報告とその改善策について検討を行っています。

-お申し出を減らすために、日々取り組まれているのですね。
棚野氏 実際、お申し出対応の責任者が女性であることに抵抗感をもつお客さまもいらっしゃいますが、そのときは「わたくしが対応の責任者です。よろしくお願いします」と言ってから話を始めますと、案外スムーズに交渉が進むこともあります。責任者が男性であれ、女性であれ、お客さまが求めていらっしゃるのは問題を解決することなので、「自分が責任者なのだ」と腹をくくって、自分だからできることをやる、といった姿勢で対応するようにしています。CS推進統括部長になった当初は不安でしたが、今はそういうチャレンジの場を与えてもらい、本当に有り難いと思っています。

ポジティブ・アクションの影響で、自ら発言する女性職員が増えているのを実感

-仕事と家庭の両立は女性が悩む部分ですが、ご自身はどのように解決されましたか。
棚野氏 私の夫はいろいろなことに協力的で、お客さまのお申し出が続いて疲れているときには、「ちょっと疲れているね」と声をかけてくれますね。また以前ほど家事ができなくなりましたが、手抜き料理でも了解してくれますし、家事も分担してくれるようになりました。彼がもし嫌な顔をしたら仕事がしづらくなりますので、有り難いと思っています。私の世代では結婚や出産で退社する人もいましたが、今の女性職員は結婚や育児で退社しなくなりました。会社の施策も充実してきましたし、制度をうまく使っているようです。彼女たちに働きつづけてもらうのは会社の財産になりますので、上司としてもフォローしていきたいと思っています。

-ポジティブ・アクションに関するプログラムもいろいろ用意されているようですが、明石支社における利用状況はいかがですか。
棚野氏 例えば「キャリアチャレンジ制度」は、明石支社からも毎年1名が手を挙げて、長期の場合2~3年本社に赴任しています。戻ってきたときは人脈も増え、広い視点でものを見られるようになっていますね。その他、「社外トレーニー制度」は年に1~2名、「社内トレーニー制度」は年4~5名が利用しています。

-これらの制度を利用することで、どのような変化が見られますか。
棚野氏 女性は自分からあまり発信しない人が多かったのですが、「こうしたい」とか「こうしたほうがよいのでは」など、自分から積極的に発信するようになりました。また、制度を利用した方だけでなく、その周りの女性の意識も前向きになっています。弊社ではスキルを上げる勉強をする際、会社が補助をするので、例えば低廉にe-ラーニング(web上で自己啓発できる仕組)を受講できるようになっており、全社では数千人が利用しているようです。明石支社だけでなく全社的に女性の意欲が向上していると思いますね。

お客さま対応の責任者として、エキスパートを目指したい

-最後に、これからステップアップを考えている女性、そして女子学生へのメッセージをお聞かせください。
棚野氏 長く勤めるための、自分なりの意思を持っていただきたいですね。仕事をしていると、つらいことやミスをすることもあるでしょうが、仕事で挽回できます。仕事の成功体験だけでなく、むしろつらいこと、ミスをした経験こそ、その人の力になる、糧になると思います。そこを逃げないで克服して、つぎのチャンスをつかむための準備としてほしいですね。仕事を続けていれば、よいこともあります。女子学生の方に向けては、「第一生命は女性がほんとうに活躍できる、良い会社です!」とお伝えしたいです。

-ご本人が本当にそう思っていなければ、なかなか「良い会社です!」とは言い切れないと思います。ご自身の今後の目標については、いかがですか。
棚野氏 管理職になって1年目ですが、ぜひこの仕事を極めて、お客さま対応のエキスパートになりたいと思っております。私も先ほどの自己啓発の仕組を利用して、消費生活アドバイザーなどいくつかの資格を取得しましたが、そういう資格も活かしながら社会とのつながりを深め、弊社のお客さま対応力をもっと向上させていきたいと思っています。

-本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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