WEBマガジン EVOLUTION vol.4 MESSAGE

第4回 働く女性へのメッセージ

今号は、現在東北大学の情報知能システム(ISS)研究センターの特任教授をされているNECソフトウェア東北株式会社の舘田あゆみ氏からメッセージをいただきました。働く女性の皆様にとっても参考となるヒントがあるかもしれません。

できないときは誰かに頼ることも必要。
そのぶん後で頑張ればいい

舘田 あゆみ氏

NECソフトウェア東北株式会社

東北大学大学院工学研究科

情報知能システム(IIS)研究センター 特任教授

舘田 あゆみ
NECソフトウェア東北株式会社
東北大学大学院工学研究科
情報知能システム(IIS)研究センター 特任教授

PROFILE
1988年
NECソフトウェア東北入社。
2年間日本電気本社教育部勤務。
1990年
仙台に戻った後、システムエンジニアとして
各種システム開発。
1992年
長女出産。
2003年
マネージャ(課長職)、
2007年シニアマネージャ(部長職)。
2010年
4月より東北大学大学院工学研究科特任教授。

技術職が女性に向いていないとは思わない

 1988年に入社した当初はメインフレームという大型コンピューターやプログラミングに関するインストラクターをしていました。男女雇用機会均等法の施行後でしたので、技術職の女性が2割程はいましたし、技術職が女性に向いていないとは全く思いませんでした。お客様やNEC全グループ社員に教育していましたが、男女差を感じたことはありません。大学は文系ですが、手に職をつけるのが良いと思い、自ら希望してシステムエンジニアになりました。
 その後、資格にもチャレンジし、システムアナリストとシステム監査技術者の資格を取りました。システムアナリストに合格したときは、全国で女性最年少の合格でした。子育てとの両立で置いていかれるのではないかと焦りや不安を感じている時期に資格が取れたことは、自信につながりました。

子育てとの両輪は周囲のサポートを受けて

 1992年に長女を出産し、約3カ月間の育休を取得後、子どもを母親に預けて復帰しました。先輩の中には辞めてしまう方と歯をくいしばって頑張っている方がいました。子どもを産んで働きつづけるのは大変だなと思った記憶がありますが、母親もずっと働いていましたので、子どもが生まれたら仕事を辞めるという気持ちは全くなかったですね。母親を見ていて大変そうなときももちろんありましたが、歳をとってから働いていたほうが生き生きしていると感じましたので。
 3歳の頃まではなるべく残業しないようにしていましたが、プロジェクトを任されるようになると、多いときは週3、4回東京に出張していました。子どもにはさびしい思いをさせたこともあったと思いますが、ずっといないわけではありませんし、そのぶん家ではスキンシップを心がけていましたので、密度の濃さはあったのではないかと思います。すごく疲れてボロボロになったときに娘に「仕事辞めようかな」とぼそっと言うと、「仕事辞めたら、よそのお母さんと同じになっちゃうよ」と言われました。よそのお母さんとは違うんだという眼で見ていたのかなと思いました。土日に仕事をしなければいけないときは、子どもを連れて会社に行ったこともありました。そうすると同じプロジェクトのメンバーが子どもの相手をしてくれたりして、まわりに恵まれていたのだなと感謝しています。

リーダー経験が、自然な昇進準備を可能に

 2003年にマネージャ(課長職)になりました。当時、女性では2名がマネージャに昇格しました。当社内では初の女性マネージャでしたが、今までやってきたことが認められて昇格できたと思いましたので、役職も躊躇なく受け入れられました。プロジェクトチームのリーダー経験があったので、できるかなという気持ちをもつことができていたのかもしれませんね。 その4年後にはシニアマネージャ(部長職)になりました。
 管理職のパターンはいろいろで、上からがんと言って統率する人もいれば、中に入って部下に頼ったりしながら一緒になってみんなをまとめていく人もいます。例えば日本の男性はだまって重い荷物を持っていても、誰も手を貸してくれません。ですが、「重い」と言えば助けてくれます。管理職の仕事でも似たような場面があるのかなと思います。いろいろなパターンを見て、こうだったら私もなれるかもというスタイルを見つけてもらえるといいですね。
 頑張りすぎずに、人に頼ることもあっていいと思います。私は親にもまわりにも頼りましたし、仕事の中でも部下に「困った、助けてくれ」と頼ることもあります。困ったときにはお客様にも頼ります。
 女性がやろうと思ったときの集中力はすごいですし、やろうと思ったときは大抵のことはやれるのです。どちらかというと女性は少し頑張り過ぎてしまうところがあるかもしれませんので、ちょっとだけ力を抜いて、できない部分は今は誰かに助けてもらっても、後で頑張ればいいのではないかと思います。

地元企業と大学で連携し、地域を元気にしたい

 昨年、産学官連携支援拠点として、仙台市と東北大学大学院工学研究科が主体となって「情報知能システム(IIS)センター」(事業概要「仙台市・市政だより2011年2月号」より)が創設されました。東北大学では、電気情報系という限られた分野だけで80もの研究室があり、これは世界の中でもトップクラスの規模になっています。大学では多くの企業と連携しながら次世代システム等の研究開発を行っているのですが、そのほとんどが首都圏の大企業で、地元企業とのやりとりが少ないのです。私が当時所属していた事業企画部では地域貢献というのもミッションの一つだったこともあり、仙台市よりセンターの特任教授にとのお話をいただきました。来年の3月まで出向というかたちで大学に所属し、NECという企業色は出さずに中立の立場でおります。
 会社では組織やプロジェクトというしっかりした縦の関係があるのですが、大学はまったく違う環境なので大変です。先生方はその道で世界レベルの非常に高度な研究をされているので、まずその内容を理解することが難しいです。その複数の研究を結びつけて面白いことをやりたいと思っても、外から来ていきなりそう簡単にはいかないですね。
 富士通や日立など同じ業界の地元企業の方たちとも以前から積極的に交流をしています。驚かれることもありますが、地域を活性化させたいという部分では同じ思いです。どこに所属していても自然体で、まわりも巻き込んで地域を元気にしていけたらいいですね。

NECソフトウェア東北株式会
Company Profile
NECグループのITサービス事業における中核会社の一つ。「東北地方のお客様のためのソリューション事業」「NECの一員としての大規模システム開発」「グローバルソフトウェアテクノロジー」という3つの領域を担う事業を柱として、官公庁や民間企業に向けたシステム構築や保守・運用などのITサービスの提供、およびアプリケーションソフトウェアなど各種ソフトウェアの開発を行っている。

企業データ

●創業
1983(昭和58)年6月1日
●資本金
2億円
●代表者
代表取締役社長 岡本 路夫氏
●本社所在地
宮城県仙台市
●事業所数
7カ所
●事業内容
各種ユーザに対するシステムインテグレーション、オペレーティングシステム開発、システムコンサルテーション 等
●従業員数
740人(男性508人、女性116人)
●平均年齢
38歳(男性39歳、女性36歳)
●平均勤続年数
15年(男性15年、女性13年)
●課長相当職に
占める女性の割合

4%
●女性トップの役職
部長
●URL
http://www.nec-solutioninnovators.co.jp/
※2011年1月末現在
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